UNEP出版物|一般社団法人地球環境情報フォーラム

一般社団法人 地球環境情報フォーラム

UNEP出版物

INDEX

「Global Waste Management Outlook 2024 (GWMO 2024) 」

(2024年2月発行)

現在から2050年までの都市廃棄物の発生、再利用、エネルギー利用と未処理量、対策コスト、環境への影響等3種のシナリオについての推測等を行い、取るべき政策に関する勧告等を記述しているものです。
第6回国連環境総会(UNEA6、2024年2月26日〜3月1日開催) に向けてまとめられたこのレポートは、UNEP と 国際廃棄物協議会(The International Solid Waste Association (ISWA)) の協力により作成されました。

本報告書英語版はこちら:Global Waste Management Outlook 2024 | UNEP - UN Environment Programme

「排出ギャップ報告書2023」(エグゼクティブ・サマリー)日本語翻訳版

(2024年2月発行)

UNEPの「Emissions Gap Report 2023: Broken Record –Temperatures hit new highs, yet world fails to cut emissions (again) - Executive Summary」エグゼクティブ・サマリーの日本語翻訳版(暫定非公式訳)を、IGES(地球環境戦略研究機関)より発行。誓約された温室効果ガス排出削減量とパリ協定の長期気温目標に整合するために必要な削減量との間のギャップ、およびこのギャップを埋める機会について独立した科学に基づく評価を提供。本版は、国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)に先駆けて発行され、グローバル・ストックテイクの最終的な議論に最適な知見を提供するとともに、すべての国による前例のない行動が必要とされていることを改めて示している。またエネルギー転換に伴う機会と課題、およびCDRの開発と展開についても検討している。
リンクはこちら: https://www.iges.or.jp/en/pub/unep-emissions-gap-report-2023/ja

本報告書英語版「Emissions Gap Report 2023」ダウンロード(Full reportおよびExecutive Summary)はこちら:https://www.unep.org/resources/emissions-gap-report-2023

「適応ギャップ報告書2023」(エグゼクティブ・サマリー)日本語翻訳版

(2024年2月発行)

UNEPの「Adaptation Gap Report 2023: Underfinanced. Underprepared. Inadequate investment and planning on climate adaptation leaves world exposed. - Executive Summary」エグゼクティブ・サマリーの日本語翻訳版(暫定非公式訳)を、IGES(地球環境戦略研究機関)より発行。途上国における適応策の実施は停滞しており、適応資金ギャップ(不足額)は現在の国際的な適応資金フローの10倍~18倍に拡大し、このままでは気候関連による損失と損害が増大することは避けられないと指摘。適応資金ギャップを埋める具体的な方策として、より多くのグローバルな金融アーキテクチャーの改革と国際協力などを提言しているほか、より公平で効果的な適応支援に向けて、ジェンダーと社会的包摂に対応した適応資金の必要性も強調している。
リンクはこちら: https://www.iges.or.jp/en/pub/unep-agr-2023/ja

本報告書英語版「Adaptation Gap Report 2023」ダウンロード(Full reportおよびExecutive Summary)はこちら:https://www.unep.org/resources/adaptation-gap-report-2023

「排出ギャップ報告書2022」(エグゼクティブ・サマリー)日本語翻訳版

(2023年2月発行)

UNEPの「Emissions Gap Report 2022: The Closing Window - Climate crisis calls for rapid transformation of societies」エグゼクティブ・サマリーの日本語翻訳版(暫定非公式訳)を、IGES(地球環境戦略研究機関)より発行。2030年までの排出ギャップ、すなわち約束された排出削減量とパリ協定の気温目標達成に必要な排出削減量とのギャップを埋めるための行動の進捗は、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)以降、非常に限定的であるとして、広範かつ大規模な、そして迅速な変革を経済全体で進める必要性を強調し、電力供給、産業、運輸、建築の各分野において変革を加速するための具体的な行動を提言している。加えて、食料システムや金融システムなど横断的なシステム変革も調査し、現在の緩和策の誓約を超える排出削減の可能性についての考察を行っている。
リンクはこちら: https://www.iges.or.jp/jp/pub/unep-emissions-gap-report-2022/ja

本報告書英語版「Emissions Gap Report 2022」ダウンロード(Full reportおよびExecutive Summary)はこちら:https://www.unep.org/resources/emissions-gap-report-2022

「適応ギャップ報告書2022」(エグゼクティブ・サマリー)日本語翻訳版

(2023年2月発行)

UNEPの「Adaptation Gap Report 2022: Too Little, Too Slow - Climate adaptation failure puts world at risk」エグゼクティブ・サマリーの日本語翻訳版(暫定非公式訳)を、IGES(地球環境戦略研究機関)より発行。ハードな適応の限界(hard adaptation limits)を回避するためには、強力な緩和策とともに野心的な適応策が必要であるが、現在、適応策の実施は漸進的なものにとどまっており、適応ギャップも一層拡大していると指摘している。効果的な適応行動を可能にする優良事例を参照し、緩和と適応の相互連関を考慮した適応策を策定し、取り組みの拡大と加速を進めていくことを求めると同時に、COVID-19パンデミックやウクライナ戦争が世界的な危機をもたらす中、国際的な気候変動コミュニティに対して、グラスゴー気候合意を踏まえた共同コミットメントをさらに深める強固な政治的意思を改めて求めている。
リンクはこちら: https://www.iges.or.jp/jp/pub/unep-agr-2022/ja

本報告書英語版「Adaptation Gap Report 2022」ダウンロード(Full reportおよびExecutive Summary)はこちら:https://www.unep.org/resources/adaptation-gap-report-2022

「適応ギャップ報告書2021」(エグゼクティブ・サマリー)日本語翻訳版

(2022年2月発行)

UNEPの「Adaptation Gap Report 2021: The Gathering Storm – Adapting to Climate Change in a Post-pandemic World」エグゼクティブ・サマリーの日本語翻訳版を、IGES(地球環境戦略研究機関)より発行。世界の地域レベルから国レベルにおける適応策の企画立案、資金および実施の現況と進捗について最新情報を提供するとともに、適応策の成果について定性的分析を通じた評価を行っている。また、適応策の企画立案と資金におけるCOVID-19の影響を詳細に評価するとともに、経済成長と気候変動へのレジリエンス(強靭性)を両立させるグリーンな復興に資する適応への取り組みの重要性を強調している。
リンクはこちら: https://www.iges.or.jp/jp/pub/unep-agr-2021/ja

本報告書英語版「Adaptation Gap Report 2021」ダウンロード(Full reportおよびExecutive Summary)はこちら:https://www.unep.org/resources/adaptation-gap-report-2021

「排出ギャップ報告書2021」(Key Message)日本語翻訳版

(2021年10月発行)

UNEPが毎年発表して注目を集める「Emissions Gap Report」(排出ギャップ報告書)。今年で12回目となる2021年版のKey Message部分を和訳したので、ここに供する。
同レポートは、二酸化炭素排出量の削減目標と各国の排出量見通しとの差を示したもの。今年の報告書でUNEPは、各国の排出量削減プランについて「いまだ実現されていない不十分な約束」と警鐘を鳴らしている。
エグゼクティブ・サマリー日本語翻訳版は、IGES(地球環境戦略研究機関)より発行。リンクはこちら:https://www.iges.or.jp/jp/pub/unep-emissions-gap-report-2021/ja

本報告書英語版「Emissions Gap Report 2021」ダウンロード(Full reportおよびExecutive Summary)はこちら: https://www.unep.org/emissions-gap-report-2021

「Making Peace with Nature(自然との仲直り)」日本語翻訳版

(2021年9月発行)

UNEPが2021年2月に発表した“統合報告書”といわれる「Making Peace with Nature(自然との仲直り)」の日本語翻訳版(全168ページ)を、当協会より発行。本報告書は世界の25におよぶ重要な評価報告を基盤とし、2020年に世界中の価値観や生活様式を一変させたCOVID-19(新型コロナウイルス)を経て、「どのように新しい社会、新しい世界を作っていけばいいのか」「人類が地球を保護し回復させることを緊急に決断しなければならない理由とその方法とは何か」について、力強く科学的に論証したもの。またSDGs達成のヒントや警鐘についてもまとめられている。

  • ・序文(国連事務総長、UNEP事務局長)、まえがき
  • ・目次
  • ・主要メッセージ

英語版「Making Peace with Nature」全文はこちら

※なお日本語翻訳版(全168ページ)は、クラウドファンディングによるご支援、ご寄付などに支えられて制作されました。ご協力をありがとうございました。

※日本語翻訳版の冊子は、当協会の活動へのご寄付をいただいた方に無料で配布いたします。
お申し込みは「ご支援のお願い」ページより「寄付」を選び、ご意見の欄に「MPN希望」とご記入ください。
(なお、制作にかかった経費として3,000円以上のご寄付をお願いしております)

「排出ギャップ報告書2020」(エグゼクティブ・サマリー)日本語翻訳版

(2020年12月発行)

UNEPが毎年発表して注目を集める「Emissions Gap Report」2020年版のエグゼ クティブ・サマリー日本語翻訳版を、当協会より発行。非平常の現況を考察し、今回の報告書では以前の数年の統合的データを集中して検討するという通常のアプローチから離れることとし、本書を通じてその政策的な意義を最大化するため、パンデミックとその救済策、回復措置の意味あいに関する予備的な解析を含めた。

なおKey Message部分も和訳したので、ここに供する。

本報告書英語版「Emissions Gap Report 2020」ダウンロード(Full reportおよびExecutive Summary)はこちら:https://www.unep.org/emissions-gap-report-2020

「適応ギャップ報告書2020」(エグゼクティブ・サマリー)日本語翻訳版

(2021年1月発行)

UNEPの「Adaptation Gap Report 2020」エグゼクティブ・サマリーの日本語翻訳版を、IGES(地球環境戦略研究機関)より発行。世界における適応の計画・資金・実施の現状を分析し、過去10年にわたり、各国による適応の取り組みに大きな進展があったことを示したもので、全体として、世界の適応努力の現状と将来の傾向を俯瞰し、今後埋めていくべきギャップとその解決手段の可能性を探っている。リンクはこちら:https://www.iges.or.jp/jp/pub/unep-agr-2020/ja

本報告書英語版「Adaptation Gap Report 2020」ダウンロード(Full reportおよびExecutive Summary)はこちら:https://www.unep.org/resources/adaptation-gap-report-2020

「地球環境概観 第5次報告書(GEO-5)下巻 日本語版」

(2020年7月発行)

本書の出版のためのクラウドファンディングは、無事に成立いたしました。
ご支援をいただきありがとうございました。
https://readyfor.jp/projects/geo-5

GEO-5(地球環境概観 第5次報告書)は、持続可能な開発会議(リオ+20)に時期を合わせて発行されたもので、持続可能な社会実現へのUNEPの並々ならぬ意志が込められた報告書と言える。

その貴重な日本語版の上巻は、2015年10月、環境報告研により出版されたが、このたび同下巻がWeb公開されたhttps://www.hokokuken.com/geo5.html

内容をみると、第16章「持続可能性への大転換」では、持続可能な社会を実現するための根本的な考え方が述べられ、第17章「地球規模での対応」では、2015年採択のSDGsが提唱され、UNEPの格上げおよび強化、グリーン経済、ステークホルダーの関与の強化などが提唱されてリオ+20の成果につながった。また第9章~15章では、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、中南米、北アメリカ、西アジアの環境政策について、それぞれまとめられている。

「Single-use plastic bags and their alternatives : Recommendations from life cycle assessments」

(2020年3月発行)

本報告書は、ライフサイクル評価(LCA)に基づいた使い捨てのプラスチック製買い物袋(SUPB)とその代替品について、UNEPが主導する「ライフサイクルイニシアティブ」がまとめたものである。

日本でいうところの“レジ袋“の有料化に伴い、注目を集めた報告書であるため、エグゼクティブ・サマリーのみ和訳して下記に供する。

なお、本報告書英語版はこちら:https://www.lifecycleinitiative.org/single-use-plastic-bags-and-their-alternatives-recommendations-from-life-cycle-assessments/(76ページ、0.8MB)

報告書P2-3 EXECUTIVE SUMMARY (概要)

使い捨てのプラスチック製買い物袋(SUPB)は、世界で最も消費されている品物の1つであり、環境への影響をめぐって多くの議論がなされています。ただし、買い物のための代替物、たとえば綿や紙で出来ている袋であっても環境に対する影響はあり、必ずしもすべての環境分野でプラスチック製買い物袋より優れているというわけではありません。環境的に持続可能な解決策を特定するには、代替物と比較したSUPB類の環境影響を、ライフサイクルの観点から調査する必要があります。ライフサイクルアセスメント(LCA)は、この目的のためにつくられた定量的な手法であり、原材料の抽出、生産、流通と配布、使用、廃棄後に至るまで、ライフサイクル全体にわたる製品とサービスの環境への影響を評価します。

2010年以降に7つのLCA分析が英文で公開されていますが、これらの分析結果の総合的解析によって、本報告書は、これらの研究からどういうことが言えるかを調べ、買い物袋に関するLCAの比較結果をいかに解釈するかについて、政策立案者や他の関係者にガイダンスを提供するために行われました。掲示した表[注:報告書P4-7]は、他の買い物袋と比較したSUPBの環境上の利点と欠点を含め、調査結果をまとめたものです。本報告書は、買い物袋の環境側面を評価する方法としてのLCAの利点と課題についても検討しています。この総合分析から学んだ結果に基づいて、本報告書は、将来、プラスチック製買い物袋や他の代替品のLCAを行おうとする専門家に対して、その分析の包括性、一貫性、および精度を向上させるために役立つ情報を提供するものともなっています。

これまでの7つのLCA研究によって示された主な結論は、次のとおりです。

  • ●買い物袋の素材の種類と重量は、環境への影響を判断する上で重要な特性です。同じ素材で重量が2倍のマイバッグは、何度も再利用したり、より多くの商品を運ぶために使用したりしない限り、環境に与える負荷は2倍になります。LCAの比較解析では、SUPBの重量が中国、インド、シンガポール、米国では約6 g、フィンランド、スペイン、英国では18〜20 gであることを示しています。
  • ●買い物袋の製造過程において用いられる技術と材料およびエネルギーの量は、環境負荷に影響を与えます。たとえば、紙袋が気候変動に与える影響は、紙パルプの生産過程で使用される燃料の種類によって大きく異なります。
  • ●廃棄物管理の過程においても、買い物袋の環境負荷に影響を与えます。最終的に埋め立てられる紙袋はメタンの排出につながり、気候変動に高い効果をもたらしますが、プラスチック製買い物袋は比較的不活性です。一方、使用済みのプラスチック製買い物袋の焼却は、化石二酸化炭素(CO2)の排出を通じて気候に影響を与えますが、紙袋の焼却から排出されるCO2は、自然の炭素循環の一部です。生分解性の買い物袋の環境への影響は、買い物袋が堆肥化されている場合は減少し、他のほとんどの買い物袋はリサイクル利用される場合はプラスの影響をもたらします。
  • ●ライフサイクルにおけるすべての段階の影響を考慮すると、買い物袋の環境ランキングは環境分野によって異なります。 SUPBは、土地のごみ、海洋ごみ、マイクロプラスチックの点では良くない選択肢ですが、気候変動、酸性化、富栄養化、水利用、土地利用など、他の環境影響カテゴリでは良い評価を得ています。全体的な環境ランキングは、どの環境側面が最も優先されるかによって決まります。このように眺めてくると、プラスチック製買い物袋はごみの中のかなりの部分を占めていますが、他の製品や商品と比較した場合、気候変動に対する影響としては、全体のごく一部を占めているだけである点に注意することが重要です。
  • ●再利用可能な買い物袋は、何度も利用される場合、SUPBより環境的に優れています。たとえば、気候変動への影響を考えると、1つのSUPBよりも気候変動への影響を少なくするには、綿の袋の場合は50〜150回使用する必要があります。 気候変動への影響をSUPBと同じ程度に抑えるためには、厚くて耐久性のあるポリプロピレン(PP)の袋の場合は推定10〜20回、薄くても再利用可能なポリエチレン(PE)袋の場合は5〜10回使用する必要があります。このためには、袋の耐久性が必要なだけではなく、消費者もそれぞれの袋を何度も再利用することが必要です。
  • ●紙袋はポイ捨てによる環境負荷にはあまり影響はしませんが、ほとんどの場合、SUPBに比べて気候変動、海の富栄養化、酸性化への影響は大きくなります。ただし、SUPBの重量が大きい場合、製紙工場が再生可能燃料を使用する場合、紙袋が複数回再利用される場合、廃棄された袋が埋め立て地に堆積されるのではなく焼却に回される場合などは、紙袋の方が気候変動の抑制に適しています。
  • ●再生可能資源から製造される使い捨てポリエチレン袋は、従来のSUPBと比較して、気候変動への影響は軽減されます。しかし、それらはポイ捨てされた場合には、他の袋と同様な影響を引き起こし、より多くの酸性化と富栄養化の原因となる可能性があります。
  • ●生分解性の買い物袋は、従来のSUPBに比べて、環境中で分解し、ポイ捨ての影響を軽減します。ただし、LCAの結果は、気候変動への影響、海域の酸性化、富栄養化、および有毒物質の増加を引き起こし、最悪の選択肢になる可能性があることが示されています。
  • ●分解促進添加剤入りのプラスチック製買い物袋(オキソ分解性の袋)は、従来のSUPBとほぼ同等の効果があります。それは小さな断片に分解されるので、ごみとしての視覚的影響は少なくなります。しかし、マイクロプラスチックスの問題は依然として残る可能性があり、さらに分解促進剤はリサイクルの過程で問題を引き起こす可能性があります。 これらの調査結果を判断根拠として使用する場合、バイオ起源または分解可能なプラスチック製買い物袋などの革新的な材料の製造過程は比較的新しく、時間の経過とともに大幅に改善される可能性があることに注意する必要があります。7つのLCAのほとんどは5〜10年前のものであり、調査で使用された入力データの一部はかなり古いものです。 レジ袋の環境への影響を軽減することは、特定の材料や袋を選んだり、禁止したり、推奨したり、または処方したりすることだけでなく、再利用率を上げてポイ捨てを避けるために消費者の行動を変えることでもあると結論付けることができます。環境への影響が最も少ないプラスチック製買い物袋は、消費者がすでに自宅に持っているマイバッグなのです。

「排出ギャップ報告書2019」(エグゼクティブ・サマリー)日本語翻訳版

(2019年12月発行)

UNEPが発表した「Emissions Gap Report 2019」エグゼクティブ・サマリーの日本語翻訳版(暫定非公式訳)。IGES(地球環境戦略研究機関)より発行。2018年に排出された温室効果ガス(GHG)の総量、今後予想される排出量及びパリ協定目標を達成するための排出量との差である「排出ギャップ」などについて、さまざまな分析を行っている。リンクはこちら: https://www.iges.or.jp/jp/pub/unep-emissions-gap-report-2019/ja

本報告書英語版「Emissions Gap Report 2019」ダウンロード(Full reportおよびExecutive Summary) はこちら: https://www.unenvironment.org/resources/emissions-gap-report-2019

「フロンティア2018/2019:新たに懸念すべき環境問題」

(2019年3月発行)

社会・経済・生態系に甚大な影響を及ぼすと考えられる新たな環境問題について検証・分析する「フロンティア」報告書の2018~2019年版が、第4回国連環境総会(UNEA4)に先立ち2019年3月に発表された。新たに懸念される環境問題として1)合成生物学の台頭、2)ランドスケープの断片化、3)泥炭地永久凍土の融解、4)窒素汚染、5)気候変動への不適切な適応を取り上げ、それぞれの解決策を検討し、循環型経済の実現に向けた窒素管理の重要性を指摘している。

「窒素問題の解決(The Nitrogen Fix: From Nitrogen Cycle Pollution to Nitrogen Circular Economy)」に関する章の日本語版(2019年10月Web版発行)はこちら: https://iges.or.jp/jp/pub/unep-frontier-nitrogen/ja

「気候変動への不適切な適応(Maladaptation to Climate Change: Avoiding Pitfalls on the Evolvability Pathway)」に関する章の日本語版(2019年10月Web版発行)はこちら: https://iges.or.jp/jp/pub/unep-frontier-maladaptation/ja

本報告書英語版「Frontiers: Emerging Issues of Environmental Concern」(80ページ/68.1MB)https://www.unenvironment.org/resources/frontiers-201819-emerging-issues-environmental-concern

「汚染のない地球へ Towards a pollution-free planet」

(2017年12月発行)

本書は、2017年12月にUNEP本部ナイロビで開催された第3回国連環境総会 (UNEA3) の報告書として発行された。UNEA3のテーマ「汚染(pollution)」に焦点を当て、 地球上のさまざまな汚染の実態と、各国の取り組みや戦略的アプローチが掲載されている。

short versionの日本語版(2019年1月発行)はこちら:

本報告書英語版「Towards a pollution-free planet」short version(28ページ/4,507KB)はこちら:https://papersmart.unon.org/resolution/uploads/25_19october.pdf

long version(124ページ/5,414KB)はこちら:https://www.unenvironment.org/resources/report/towards-pollution-free-planet-background-report

「適応ギャップ報告書2017:地球全体の評価に向けて」

(2017年11月発行)

このレポートは、地球レベルの適応の進捗状況評価に関連した、重要かつさまざまな機会や問題を検討している。パリ協定を実行に移すための準備として、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の下で現在行われている活動に関する情報がまとめられている。

本報告書英語版「The Adaptation Gap Report 2017:Towards Global Assessment」(84ページ/3,997KB)はこちら:http://wedocs.unep.org/bitstream/handle/20.500.11822/22172/adaptation_gap_2017.pdf?sequence=1&isAllowed=y

「排出ギャップ報告書2017」

(2017年11月発行)

第8次国連環境計画排出ギャップ報告書は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の長期目標を達成するために必要な温室効果ガス削減に向けた、世界の進捗状況に関する最新の科学的評価を示している。全体的な今回の評価の結論は、政府や各関係者の排出ガス削減の取り組みが温度の上昇を1.5℃未満どころか2℃未満に維持するために排出経路に求められれいる目標レベルにさえ程遠いとしている。

本報告書英語版「The Emissions Gap Report 2017:A UN Environment Synthesis Report」(116ページ/7,324KB)はこちら:https://wedocs.unep.org/bitstream/handle/20.500.11822/22070/EGR_2017.pdf

「排出ギャップ報告書2016」

(2016年11月発行)

11月4日、UNEPはロンドンでこの報告書の完成に関する記者発表を行った。この報告書は2012年以来毎年作成されているもので、現在予定されている温暖化対策で実現が予期される温室効果ガスの排出削減の見込みと、将来の温暖化対策目標(産業革命前と比して2.0℃など)を達成するため、必要となる削減量を対比することを科学的な解析により実施したものである。

これは、パリ協定の発効(11月4日)、国連気候変動条約第22回締約国総会(COP22、11月7日から2週間、於マラケシュ)直前というタイミングで発表されたもので、COP22における今後の温暖化対策の交渉にも影響を与えるものと期待される。  その第一の結論は、(パリ協定にも規定されている)より強化された温暖化目標の達成のためには、2020年以前の対策の強化とともに、将来、各国が企画する対策計画(NDC)をより高い目標(Ambition)を持つものとしていくことが必要としている。

報告書の内容は、各国からこれまでに提出されている対策計画草案(INDC)の各種の前提を多くの科学文献を利用しつつ統一的な解析を試みたうえで、その結果(将来の温度上昇)の推測を、科学的な手法で行っており、かなり難解なものであるが、「(i) 温暖化ガスの排出量が過去増大していること、(ii) 温暖化目標の達成のために必要となる削減対策の強化すべき目標を示唆していること、(iii) 各国の対策計画の比較を示していること」など、多くの重要な情報が含まれている。

本報告書英語版「The Emissions Gap Report 2016:A UNEP Synthesis Report」(86ページ/9.32MB)はこちら:http://wedocs.unep.org/bitstream/handle/20.500.11822/10016/emission_gap_report_2016.pdf
本報告書英語版サマリー「Executive summary」(12ページ/2.21MB)はこちら: http://uneplive.unep.org/media/docs/theme/13/egr_2016_executive_summary_en.pdf

(文責:平石)
※画像をクリックすると拡大します
温室効果ガス排出量の推移
将来の削減の必要性
各国の削減対策の比較

「地球環境概観 第6次報告書(GEO-6)アジア・太平洋地域」

(2016年7月発行)

GEO-6は5月に全体のサマリーが発行され、地域報告書が順次発行される予定であり、この報告書はアジア・太平洋地域報告書である。この報告書では、パキスタン以東、太平洋の島嶼国までの41か国の環境の状況、政策課題等が包括的かつ量的に記述されている。大気汚染、土地劣化、生物種及び生態系、淡水、沿岸域及び海洋、廃棄物の諸問題について、人口動態、ライフスタイル、社会サービス、資源使用効率、自然災害、健康被害、政策、立法及びその実行という観点から議論し、政策の方向について取りまとめている。

今後の政策の在り方については、温暖化に関する最近の合意(パリ協定など)及び持続可能性開発の目標(SDGs)を背景とし、低炭素開発の必要性、自然と生態系の整合性、自然災害や温暖化に対する抵抗力のある開発、環境起因の健康リスクへの対応、種々のレベルにおける対応の必要性、科学と政策の関連、国際協力の意義等を含む提言をしている。

本報告書英語版「GEO-6 GLOBAL ENVIRONMENT OUTLOOK REGIONAL ASSESSMENT FOR ASIA AND THE PACIFIC」(227ページ/65.9MB)はこちら:GEO-6は5月に全体のサマリーが発行され、地域報告書が順次発行される予定であり、この報告書はアジア・太平洋地域報告書である。この報告書では、パキスタン以東、太平洋の島嶼国までの41か国の環境の状況、政策課題等が包括的かつ量的に記述されている。大気汚染、土地劣化、生物種及び生態系、淡水、沿岸域及び海洋、廃棄物の諸問題について、人口動態、ライフスタイル、社会サービス、資源使用効率、自然災害、健康被害、政策、立法及びその実行という観点から議論し、政策の方向について取りまとめている。

今後の政策の在り方については、温暖化に関する最近の合意(パリ協定など)及び持続可能性開発の目標(SDGs)を背景とし、低炭素開発の必要性、自然と生態系の整合性、自然災害や温暖化に対する抵抗力のある開発、環境起因の健康リスクへの対応、種々のレベルにおける対応の必要性、科学と政策の関連、国際協力の意義等を含む提言をしている。

本報告書英語版「GEO-6 GLOBAL ENVIRONMENT OUTLOOK REGIONAL ASSESSMENT FOR ASIA AND THE PACIFIC」(227ページ/65.9MB)はこちら: http://apps.unep.org/publications/index.php?option=com_pub&task=download&file=012227_en

(文責:平石)
管理されていない廃棄物の量
人間開発インデックス(HDI)(2013年)

「海洋ごみ ― 基本的データ」

(2016年7月発行)

環境に関する情報は日々増加しているが、情報が不足している分野も多い。プラスティックごみによる海洋の汚染はその一例である。近年、世界のプラスティックの消費の結果として、海洋環境の汚染の実態や海洋生物によるプラスティックの大量に摂取については多くの文献があるが、UNEPとGRID-Arendal(ノルウェー)の協力で作成されたこの報告書には、多数の基本的なデータとグラフィックスがまとめられている。近年着目されているプラスティックのマイクロ粒子による生物汚染の問題については、その原因、汚染経路、食物連鎖を経由した人間の健康への影響の可能性、被害の環境コスト評価、対策の方向性などに関する情報等が多く含まれている。

本報告書英語版「Marine Litter - Vital Graphics」(69ページ、14.9MB)はこちら:http://apps.unep.org/publications/index.php?option=com_pub&task=download&file=012215_en

(文責:平石)
プラスティック廃棄物の発生と対策
人間開発インデックス(HDI)(2013年)
プラスティックの環境中の移動

「栄養不良に関する世界レポート2016 ―約束から成果実現まで‐2030年までに栄養不良をなくすために―」

(2016年7月発行)

この報告書は、UNEP自身の出版物ではなく、SUN(Scaling Up Nutrition)と呼ばれる非常に多くの国際機関、団体が参加している運動 < http://scalingupnutrition.org /> の関連で、独立専門家グループにより作成された。報告書は、まず、今日の栄養不良問題が原因となった健康被害等がアジアやアフリカでGDPの11%の損害となっていること等を記述し、国際的な協調の下で栄養不良対策を推進することにより、今日の1ドルの投資が将来の16ドルの効果をもたらすこと等を記述している。

報告書は、昨年合意された「持続可能開発に関する2030年アジェンダ」の17の目標のうち、12が栄養問題に関連すること、基礎的な情報が不足しており、効率的な施策が不足していること、現在実施されているものに比して、より合理的に計画された対策の必要性を指摘、さらに、種々の計画づくりにとどまらず、実質的な成果に結びつけていくことが必要としている。

本報告書英語版「Global Nutrition Report 2016 - From Promise to Impact - Ending Malnutrition by 2030」(182ページ、5.4MB)はこちら: http://apps.unep.org/publications/index.php?option=com_pub&task=download&file=012214_en

(文責:平石)
2016年時点での栄養不良問題のスケール
WHOの2025年世界栄養目標
1990-2014年の発育阻害と肥満の状況

「ラテンアメリカ・カリブ地域における短寿命温暖化・大気汚染物質(SLCP)の総合評価」

(2016年7月発行)

この報告書は、2011年のブラックカーボンと対流圏オゾンに関する統合アセスメント報告書(UNEP、WMO)及び、同年のUNEPの短期的温暖化防止と大気汚染ベネフィットに関する報告書に続くもので、ラテンアメリカ・カリブ地域(以下、「LAC」)に焦点を当てて作成された。SLCPとしては、メタン、ブラックカーボン、(対流圏)オゾン及びハイドロフルオロカーボン(HFC)が取り上げられている。

報告書のキーメッセージでは、(i)大気汚染及び温暖化は、すでに、LAC地域の脆弱な人口、生態系に影響を与えている。(ii) 農業、移動式及び商業用の空調施設及び運輸がこれら物質の主要な発生源である。(iii) 現時点の予測では、これらの影響は2050年までにかなり増大することが予見される。(iv) この報告書では、多くのSLCP対策が取り上げられており、それらの実施により、2050年までの温度上昇は0.9度低減することが可能、PM2.5に起因する過剰死(premature death)の26%削減が可能、主要な農産物の損失を毎年3-4百万トン低減することが可能、(v) SLCP対策の多くがすでに実施されており、それらの拡大により多くの成果が期待できる、としている。

本報告書英語版「Integrated Assessment of Short-Lived Climate Pollutants in Latin America and the Caribbean」(48ページ/9.8MB)はこちら: http://apps.unep.org/publications/index.php?option=com_pub&task=download&file=012211_en

(文責:平石)

「放射線 ―その影響と発生源―」

(2016年7月発行)

この報告書は、国連総会の下部組織である「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」(UNSCAR)の成果をUNEPが読みやすい資料として取りまとめたものである。(UNEPは同委員会の事務局を務めている。なお、この報告書は、「UNSCAR、UNEPの意見を代表するものではない」と記述されている)

報告書には、レントゲン、キューリー、ベックレル、シーベルト、グレイなど多くの著名な科学者の簡単な紹介が含まれており、歴史の参考書ともなる。より実質的な内容としては、放射線の評価単位の基本的な解説(放射能量(Bq)、吸収線量(Gy)と放射線量(Sv)など)、発生源ごとの暴露量のレベルの簡単な説明(関係するイメージが表紙にも出ている)、放射線の種々の影響に関する詳細な説明など、多くの分かりやすい解説があるので、放射線に関する基本的な参考書として極めて有用である。

発生源の関係で、自然放射線(宇宙起因、土壌起因など)、医療関係、過去の核兵器実験に起因するもののほか、チェルノブイリ原発、福島第一原発を含む原子力施設事故の影響についての客観的な説明が含まれており、福島事故の影響が国際的にどのように捉えられているか参考となる情報である。

本報告書英語版「RADIATION EFFECTS and SOURCES」(68ページ/5.1MB)はこちら:http://apps.unep.org/publications/index.php?option=com_pub&task=download&file=012202_en

(文責:平石)
米国民の平均的暴露量(2007年)
福島第一原発事故後の甲状腺被爆量

「地球環境概観 第6次報告書(GEO-6)汎ヨーロッパ地域」

(2016年7月発行)

GEO-6は5月に全体のサマリーが発行され、地域報告書が順次発行される予定であり、この報告書は、汎ヨーロッパ地域(下表参照。)に関するもの。気候変動、大気汚染、生物多様性及び生態系、化学物質、廃棄物、淡水汚染、沿岸域、海洋及び海洋資源問題に、持続可能開発に関する2030年アジェンダ(SDG)を引用しつつ、焦点を当てている。

本報告書の汎ヨーロッパ地域は多くのヨーロッパ諸国が含まれているため、国際的な環境協定なども多く、対策が進んでいる面もあるにも関わらず、健康保護、生物多様性、有害廃棄物・化学物質対策、資源利用効率、廃棄食品問題、土壌劣化、農業開発の適正化の必要性などについて、対策をさらに推進する必要があるとしている。やや目新しい問題として、温暖化にも関連している河川・湖沼の淡水資源の量の変動(洪水を含む)が指摘されている。

UNEPの汎ヨーロッパ地域

本報告書英語版「GEO-6 GLOBAL ENVIRONMENT OUTLOOK REGIONAL ASSESSMENT FOR PAN-EUROPEAN REGION」(376ページ/32.3MB)はこちら: http://apps.unep.org/publications/index.php?option=com_pub&task=download&file=012195_en

(文責:平石)
PM2.5の年間平均濃度(2010年)
淡水流量の推移 A)年間平均流量 B)夏期低流量

「UNEP(2018-2019)事業計画案」〔UNEP/EA.2/16, 2016年3月8日付〕

(2016年6月発行)

この文書はUNEPの通常の「出版物」ではないが、UNEPの出版物ウェブサイトに掲載されている。5月23日~27日にナイロビ(ケニア)で開催された第2回国連環境総会に提出された事業予算案で、同総会の第20号決議により承認された。

同決議(英語)はこちら:http://www.unep.org/about/sgb/cpr_portal/Portals/50152/UNEA%202/20.pdf

詳細な事業計画の内容はこの文書に記述されているが、全体の予算は、Table 1(a)のとおり。次期2か年予算(2018-2019年)についてみると、UNEP本体の予算は、US$ 271 百万ドル となっており、分野ごとの予算配分は、Table 2(原文 p.7 )に掲げられている。なお、UNEP基金への資金拠出はいわゆる任意拠出であるため、これらの事業は実際に拠出された資金の中で施行されるものであり、いわば、UNEP事業の予算額の上限を示しているものである。(ただし、国連通常予算(Regular Budget)は、国連総会で決定される国連通常予算分担率で決まるので、基本的には表に掲げられている数字のとおりになる。)

(文責:平石)
予算全体:2016-2017、2018-2019

原文「Proposed programme of work and budget for the biennium 2018‒2019: Report of the Executive Director」(92ページ、1.71MB)はこちら: http://apps.unep.org/publications/index.php?option=com_pub&task=download&file=012167_en

「環境犯罪の増加 ―自然資源、平和、開発と治安に対する脅威が増大している―」

(2016年6月発行)

UNEPと インターポール(国際刑事警察機構)の協力により出版されたこの報告書は、野生生物の違法取引、違法森林伐採、違法漁業、廃棄物と汚染、ホワイトカラーによる環境犯罪、環境犯罪とテロリズム・紛争への危険な資金提供等の具体的な例を挙げながら、法制面の問題、根源的な原因、回復事例、対策の協力等に関する議論を行っている。

「環境犯罪」には、明確に合意された定義はないものの、70-230億ドル/年とされる野生生物の取引を含み、全体では、910-2580億ドル/年にのぼり、毎年5-7%増加しているとされている。(その他の犯罪の例として、違法薬品取引は、3440億ドルと記述されている)ここでは、環境犯罪が、持続可能開発や治安の維持とも密接に関連する問題であることから、法制度の整備・施行、国際的な支援の拡充、啓発普及と消費者の行動の改善が必要等の勧告を行っている。

本報告書英語版「The Rise of Environment Crime」(108ページ、10.8MB)はこちら:http://apps.unep.org/publications/index.php?option=com_pub&task=download&file=012154_en

(文責:平石)

「地域海域の管理 ―地域海域計画、地域海域漁業機構、大規模海域生態系メカニズムの協働の効率化―」

(2016年6月発行)

本報告書は、UNEP自身の地域海計画(Regional Seas Programme)の報告書シリーズの最新の号(No. 197)であり、国連食糧農業機関(FAO)、地球環境基金ファシリティー(GEF)との協力により作成された。

第1章には、参加したUNEP地域海計画、地域海域漁業機構(RFBs)及び大規模海域生態系(LME)メカニズムのそれぞれの紹介と生態学的管理の考え方と、管理手法等の解説がある。次いで、第2章には国連海洋法条約(UNCLOS)について地域海の視点からの有用な解説があり、報告書全体として、既存の地域海に関わる計画、メカニズム等を効率よく協働させていくことが必要としている。

本報告書英語版「Regional Oceans Governance - Making Regional Seas Programmes, Regional Fishery Bodies and Large Marine Ecosystem Mechanisms Work Better Together」(229ページ、3.2MB)はこちら:http://apps.unep.org/publications/index.php?option=com_pub&task=download&file=012148_en

(文責:平石)

「グリーンエネルギーの選択:低炭素電力生産技術の便益、リスクおよびトレードオフ」

(2016年6月発行)

本報告書は、UNEPが主催している国際資源パネル(IRP)の専門家が中心となって作成された。2050年の人口90億人を支えるエネルギー供給を確保するためには、莫大な投資が必要となる一方、温暖がガスの排出、大気汚染、有害物質、水資源やその他の生態系システムへの影響を削減していく必要がある。本報告書では、以下のような技術分野ごとに、政策決定者のために、その影響等の情報を、現在の技術との対比で提供している。ここでは、炭素捕捉・貯蔵(CCS)の可能性に焦点を当てているが、すでにIRPの報告書が出ているため、バイオエネルギーに関する詳細な記述は含まれていない。また、原子力は、国際原子力機関(IEA)の担当であるため本報告書の対象とはされていない。また、海洋エネルギーは、まだそれらが未成熟であるため、含められていない。

本報告書では、世界の9地域における技術の可能性について、ライフサイクルアセスメント(LCA)のアプローチで、2010年、2030年、2050年のフレームで比較を行った。

報告書の構成:技術的サマリー
  • 1. 序
  • 2. 方法論と記述手法
  • 3. 化石燃料と炭素捕捉・貯蔵(CCS)
  • 4. 水力
  • 5. 風力
  • 6. 太陽エネルギーの濃縮
  • 7. 太陽光エネルギー
  • 8. 地熱エネルギー
  • 9. 需要と供給のマッチング
  • 10. 技術のライフサイクルの比較

本報告書英語版「Green Energy Choices:the benefits, risks and trade-offs of low-carbon technologies for electricity production」(456ページ、47.5MB)はこちら:http://apps.unep.org/publications/index.php?option=com_pub&task=download&file=012131_en

(文責:平石)

「地球環境概観 第6次報告書(GEO-6)地域アセスメント報告書のサマリー」

(2016年5月発行)

UNEPは、来年の出版の中間段階として、GEO-6の地域レベル報告書を取りまとめつつあるが、今回発行された報告書は、アフリカ、アジア太平洋、ヨーロッパ、ラテンアメリカ及びカリブ、北アメリカ、西アジア、の各地域の報告書のサマリーを取りまとめたもので、それぞれのサマリーは、各地域のGEO-6に関するハイレベル会合で了承されたものである。それぞれの地域ごとに、全体像と主要な調査結果を数ページに取りまとめてあり、極めて読みやすい資料となっている。

本報告書英語版「GEO-6 Summary of the Sixth Global Environment Outlook Regional Assessments: Key Findings and Policy Messages」(34ページ、2.1MB)はこちら:http://apps.unep.org/publications/index.php?option=com_pub&task=download&file=012121_en

(文責:平石)

「UNEP 国際資源パネル報告書」

(2016年5月発行)

2015年のG-7サミットの要請に応え、また、2015年9月に合意された持続可能開発のための2030年アジェンダ(SDG)および同12月に採択された気候変動に関するパリ協定の背景の下で取りまとめられた。その主要な結論は、(1) 持続可能開発の実現のためには、資源効率の大きな改善が肝要である、(2) 経済性を持った温暖化対策には、資源効率の改善が不可欠である、(3) 資源効率の改善は、経済成長及び雇用の増大に貢献する、(4) 資源効率の改善が可能である多くの分野がある、(5) 資源効率の改善は現実的に実施可能である。本報告書は、資源効率の改善により期待できる経済的便益の解析、資源効率改善のための政策手法の紹介など、多くの示唆を含んでいる。

本報告書(政策決定者のための要約)「Resource Efficiency: Potential and Economic Implications (Summary for Policy-Makers)」(英語版84ページ、2.55mb)はこちら:http://apps.unep.org/publications/index.php?option=com_pub&task=download&file=012050_en

(文責:平石)

「UNEP 年次報告書2015」

(2016年5月発行)

UNEPは、毎年、年次報告書を作成しており、これを読むと、UNEPの事業のみならず、世界の環境問題に関する大きな動きに関する情報を知ることができる。2015年度年次報告書では、冒頭2015年12月に開催された気候変動に関する国連枠組条約(UNFCCC)の第21次締約国総会(COP21)の成果を取り上げ、世界の「勝利」として称賛しているほか、気候変動に関してUNEPが貢献した各種の活動の具体例を列記している。これらには、国家温暖化対策草案(INDC)の作成の支援、機関投資家による6兆ドルの脱炭素化に関する宣言などが取り上げられている。

この年次報告書は、慣例により、UNEP自体の計画部門ごとの活動の概要を報告している(目次参照)。 この報告書では、UNEPの初代事務局長であった、Maurice Strong氏の逝去(2015年11月)に弔意を表する章が設けられている。なお、2016年3月には、第2代の事務局長であり、17年間にわたりUNEPをリードし、UNEPの基盤を確立した Mostafa Tolba 氏も逝去されたが、時期的な理由で、この報告書には触れられていない。

本報告書英語版「UNEP Annual Report 2015」(57ページ、7.83mb)はこちら:http://www.unep.org/annualreport/2015/en/index.html

(文責:平石)

「地球環境概観 第5次報告書(GEO-5)上巻 日本語版」

(2015年10月発行)

GEO-5は、UNEPの主導で、世界の600名を超える科学者が3年以上をかけて作成したもので、地球環境の現状と傾向、地域別政策オプションと地球規模での対応をまとめた、地球環境に関する世界で最も権威ある報告書である。 2015年10月15日、待望のGEO-5(上巻)の日本語版が、環境報告研により出版された。

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